親が要介護認定を受けたら何をする?認定後に家族が確認したこと

要介護認定後に確認することを示すアイキャッチ画像 介護制度・お金

親の要介護認定の結果が届いたとき、最初に目が行くのは「要介護いくつだったのか」ではないでしょうか。

私もそうでした。

結果を確認すれば、ひとまず大きな手続きが終わる。最初はそんな感覚がありました。

ところが実際には、要介護認定はゴールではなく、そこから介護生活が本格的に始まります。

ケアマネとの相談、利用する介護サービス、毎月の費用、福祉用具、契約書類、支払い方法……。

認定後になって初めて、「こんなに確認することがあるのか」と分かったことがいくつもありました。

この記事では、家族の要介護認定後に、私が実際に確認したことや「最初に知っておきたかった」と感じたことを整理します。

※制度については2026年8月時点の公的機関の情報を確認しています。実際の手続きや利用条件は、自治体や本人の状況、利用するサービスなどによって異なる場合があります。

先に確認したいのは「要介護度」だけではない

認定結果が届いたら、まず介護保険被保険者証などの書類を確認します。

私も最初は、真っ先に「要介護○」という数字を見ました。

もちろん要介護度は重要です。

ただ、実際に介護サービスを利用していくと、それ以外にも確認しておきたい項目があることが分かりました。

特に最初に見ておきたいのは、

  1. 要介護度と認定の有効期間
  2. 介護保険の負担割合
  3. 1か月に介護保険で利用できるサービスの限度額
  4. これからどのような介護をするのか
  5. 介護保険とは別にかかる実費

の5つです。

一つずつ見ていきます。

要介護認定の有効期間を確認する

まず見ておきたいのが、認定の有効期間です。

私の場合も、最初の認定と、その後の更新では有効期間が違っていました。

現在の制度では、新規認定の有効期間は原則6か月で、市町村が必要と認める場合は3~12か月の範囲で設定されます。

更新認定は原則12か月です。ただし、更新前後で要介護・要支援の区分が異なる場合は3~36か月、同じ場合は3~48か月の範囲で設定されることがあります。

そのため、結果が届いたら「要介護いくつだったか」だけでなく、

「この認定はいつまで有効なのか」

まで一緒に確認しておくと安心です。

有効期間が終われば更新が必要になるので、後から慌てないためにも最初に見ておきたい項目です。

介護保険負担割合証も確認する

次に確認したのが、介護サービスを利用したときの自己負担割合です。

介護保険サービスの自己負担は原則1割で、一定以上の所得がある場合は2割または3割になります。自分の負担割合は「介護保険負担割合証」で確認できます。

私は最初、

「医療費の○割負担と、介護保険の○割負担は何が違うの?」

というところから分かりませんでした。

病院で支払う医療費にも自己負担割合があり、介護サービスにも自己負担割合があります。

数字だけを見ると似ていますが、医療保険と介護保険は別の制度です。負担割合の決まり方も、自己負担を軽くする仕組みも同じではありません。

この「似ているようで別の制度」という感覚が、最初はなかなかつかめませんでした。

1か月に介護保険で使えるサービスの限度額を確認する

在宅介護を始めてから、私がかなり意識するようになったのが1か月あたりの支給限度額です。

介護保険では、居宅サービスなどについて要介護度ごとに利用できる限度額が設定されています。

限度額の範囲内で対象サービスを利用する場合は、1~3割の自己負担となりますが、限度額を超えて利用した部分は全額自己負担となります。

私の場合は、デイサービスやデイケア、福祉用具などを利用していたので、自治体でもらった介護保険のガイドブックを見ながら、

「今月は限度額を超えないだろうか」

とケアマネと確認していました。

最初は「単位って何だろう」という状態でした。

ところが、複数のサービスを組み合わせるようになると、この数字がかなり重要だと分かります。

すべて自分で計算できるようになる必要はありませんが、介護保険には無制限にサービスを使えるわけではないということだけでも知っておくと、費用の見え方がかなり変わりました。

ケアマネと「これからどんな介護をするか」を相談する

認定後、私が特に頼ることになったのがケアマネでした。

最初に話したとき、今でも印象に残っている質問があります。

「これから、どのような介護をしていきたいですか」

というものでした。

施設への入所を考えるのか。

できるだけ自宅で生活するのか。

デイサービスなどの通所サービスを中心にするのか。

私の家では、通所サービスを中心に利用していきたいと伝えました。

要介護1~5で在宅サービスを利用する場合、居宅介護支援ではケアマネジャーがケアプランを作成し、その計画に沿ってサービスが提供されるよう事業者や関係機関との連絡・調整を行います。

なお、要支援1・2の場合は、地域包括支援センターなどが介護予防のケアプランやケアマネジメントに関わります。認定区分によって相談先が異なることがあるので、分からなければ自治体や地域包括支援センターに確認するのが確実です。

サービス探しはケアマネにかなり助けてもらった

デイサービスやデイケアは、自分でも調べました。

ただ、ホームページを見ればサービス内容はある程度分かっても、実際に今空きがあるかまでは分かりません。

そこでケアマネに候補を出してもらったり、事業所への連絡や日程調整をしてもらったりしました。

福祉用具についても相談し、必要なものをレンタルしました。

家族だけで、介護サービスについて調べ、空きを確認し、それぞれの事業所と一から調整していくのは大変です。

その間に入ってもらえたことは、かなり助かりました。

福祉用具は、買う前に介護保険が使えないか確認する

介護保険を利用して驚いたことの一つが、福祉用具のレンタルでした。

私の家では、起き上がるときなどに使う手すりや車いすを借りました。

介護保険の福祉用具貸与には、車いす、特殊寝台、手すり、歩行器などさまざまな対象品目があります。ただし、品目によっては要介護度などによる利用条件があり、一部の福祉用具には貸与と販売を選択できる仕組みもあります。

実際の料金は、商品や事業者、本人の負担割合などによって変わります。

それでも私の場合は、

「こういうものは全部、自分で買うものだと思っていた」

ので、想像していたより少ない負担で利用できることに驚きました。

介護が始まると、必要なものが次々と出てきます。

だからこそ、すぐに購入する前に、

「これは介護保険を使って借りたり、購入費の給付を受けたりできないだろうか」

とケアマネや福祉用具の事業者に確認してみる価値があります。

「介護保険の料金」以外にかかる実費も確認する

介護サービスの料金を調べていると、つい介護保険の自己負担額だけを見てしまいます。

しかし、実際に利用してみると、それ以外にもお金がかかります。

たとえばデイサービスやデイケアでは、食費やおむつ代などの日常生活費は、介護保険のサービス費とは別に負担することがあります。

私も利用し始めてから、

「介護保険のサービス料金だけ見ていればいいわけではないんだ」

と分かりました。

一つひとつはそれほど大きくなくても、食事や日用品などの実費は積み重なります。

サービスを決めるときには、

「介護保険の自己負担はいくらか」

だけではなく、

「それとは別に、毎回どのくらい実費がかかるのか」

まで確認しておくと、毎月の介護費用を把握しやすくなります。

サービス開始時は、契約書類が想像以上に多かった

これは制度を調べているだけでは分からなかったことです。

複数のデイサービスやデイケアなどを利用すると、それぞれの事業所で契約や支払いの手続きがありました。

同じ時期にまとめて契約したこともあり、

「腱鞘炎になるのでは」

と思うくらい書類を書いた記憶があります。

口座情報を書く書類も多く、支払い方法も事業所ごとに同じとは限りません。

そのため、最初のうちから、

  • どの事業所を利用しているか
  • 支払い方法は何か
  • どの口座から引き落とされるか
  • 請求書や領収書をどこに保管するか

を簡単にでも整理しておくと、後になってかなり楽になります。

介護では、「サービスそのもの」だけでなく、契約・支払い・書類の管理も家族側の仕事になるのだと実感しました。

自治体の介護保険ガイドブックは捨てずに取っておく

個人的に、かなり役立ったものがあります。

自治体でもらった介護保険のガイドブックです。

私は10回以上読み返したと思います。

最初に読んだときは、「単位」「支給限度額」「通所介護」「福祉用具貸与」などの言葉を見ても、よく分からないところがたくさんありました。

ところが、実際に介護サービスを利用し始めてから読み返すと、

「ああ、これはこのことだったのか」

と急に分かる部分があります。

最初から全部理解したり、覚えたりする必要はありません。

むしろ、一度読んで分からなくても当たり前だと思います。

必要になったときにすぐ確認できるよう、ガイドブックは捨てずに取っておくことをおすすめします。

認定結果に疑問があれば、そのままにせず相談する

私の場合、最初に出た認定結果に納得できない部分がありました。

当時どの手続きを行ったのか、正確な名称までは覚えていません。

ただ、その後、改めて認定調査員が訪問して本人の状態を確認し、次の認定結果では要介護度が大きく変わりました。

ここで注意したいのは、「相談すれば要介護度が上がる」という意味ではないことです。

要介護認定そのものに不服がある場合には、都道府県に設置される介護保険審査会への審査請求という制度があります。また、認定の有効期間中に本人の状態が変化した場合には、区分変更申請という手続きがあります。

私自身が当時どちらの手続きをしたのか曖昧なので、体験だけをもとに制度名を断定することはしません。

ただ、

「実際の状態と認定結果がかなり違う気がする」

と感じたなら、一人で判断してそのままにする必要もないと思います。

まず自治体の介護保険窓口などに状況を伝え、どのような方法があるのか相談するのがよいでしょう。

介護や医療の書類は、すぐに捨てない

介護が始まると、とにかく書類が増えます。

私の場合は現在、

  • 医療関係
  • 介護関係
  • 医療費控除に使うもの

などに分け、さらに家族ごと・年ごとに整理しています。

最初は、

「これ、もう捨てていいのでは?」

と思う書類もあります。

ところが後になって、費用を確認したり、別の制度について調べたりすると、以前の請求書や領収書が必要になることがあります。

特に介護と医療は、それぞれ別の制度でありながら、お金の面では関係してくる場面があります。

用途が分からない書類については、少なくとも必要性が判断できるまでは安易に捨てない方がよいと感じています。

書類管理については、別の記事で詳しくまとめる予定です。

ケアマネに相談しつつ、「お金の制度」は自分でも調べる

介護を経験して、特に強く感じたことがあります。

ケアマネに相談すれば、介護に関係するすべての制度が分かるわけではありません。

私の場合、デイサービスやデイケア、福祉用具、事業所との連携など、介護サービスについては本当に助けてもらいました。

一方で、介護をしていると、

  • 高額療養費
  • 高額介護サービス費
  • 高額医療・高額介護合算療養費制度
  • 医療費控除
  • 障害者控除

など、介護保険以外の制度も関係してきます。

たとえば「高額医療・高額介護合算療養費制度」は、一定の条件のもとで医療保険と介護保険の1年間の自己負担を合算して負担を軽減する制度です。

また、障害者控除についても、私は最初から知っていたわけではなく、後になって自分で調べて制度の存在を知りました。

ここで重要なのは、要介護認定を受けただけで自動的に障害者控除の対象になるわけではないという点です。

一定の条件を満たし、市町村長等から障害者に準ずるものとして認定を受けた場合などに、障害者控除の対象となることがあります。

介護保険、医療保険、税金。

制度としては別々なのに、家族の介護では同時に関係してきます。

私はここが、介護のお金について最も分かりにくかったところでした。

だからこそ、介護サービスについてはケアマネに相談しながら、お金については自治体、医療保険者、税務署などの情報も自分で確認するようになりました。

要介護認定は「ゴール」ではなく、介護のスタートだった

要介護認定の結果が出ると、大きな手続きが一つ終わったように感じます。

私もそう思っていました。

実際には、そこからでした。

サービスの手配だけでなく、食事、排泄、薬、家の中での移動、介護用品、支払い、書類管理。

家族側で考えることが、一気に増えていきます。

ただし、最初から介護制度をすべて理解する必要はありません。

認定結果が届いたら、まずは、

  1. 要介護度と認定の有効期間
  2. 介護保険負担割合証
  3. 介護保険サービスの利用限度額
  4. これからどのような介護をするか
  5. サービス料金以外に必要となる実費

このあたりから確認すれば十分だと思います。

そして、介護や医療の請求書・領収書などは、後から別の制度で必要になる可能性も考えて、すぐには捨てない。

お金の負担が大きいと感じたら、介護保険だけを見るのではなく、医療保険や税金を含めて利用できる制度がないか確認する。

私自身、知らなければ、そのまま利用せずに終わっていた制度がありました。

要介護度を確認することはもちろん大切です。

でも、その数字だけを見て終わるのではなく、

「この認定結果をもとに、これからどのような介護をしていくのか」

を家族と支援者で整理していく。

それが、要介護認定後の最初の一歩だったと感じています。

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